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祝・ミニ弁論大会最優秀賞受賞
Jun.21.2024

KONARAHOUSEの社員であり、大工のハルちゃんこと本村陽香が先日、広島で行われた「全建総連 第52回全国職業訓練生及び講師・実務担当者交流集会」ミニ弁論大会で最優秀賞を受賞いたしました!
さらにそのスピーチ内容に涙!!!
長文ですが、以下に原稿を載せますので是非ご一読ください。

ミニ弁論大会 テーマ2「建設業の未来に向けて若者からの発信」 
将来自分たちが働く建設業がこう変わってほしい、自分の後輩たちが建設業を選ぶためには、今の親方たち・先輩たちに求めたいこと、会社や元請・行政に求めたいこと、組合・訓練校に求めたいこと、建設業で働く自分たち若者がやらなければならないこと、などをまとめてください。

 こんにちは。神奈川県から来ました、横浜校の本村陽香です。大工3年目の24歳です。(よろしくお願いします。)
「建設業の未来に向けて若者からの発信」ですが、私が望むのは職人の社会的な地位の向上です。
具体的に言えば、一般の人に職人の仕事を理解してもらい、正当な評価を受ける、あるいは職人の評価を上げるということです。

 突然ですが、自分の職業がなにか聞かれ、私が答えた時に返ってきた反応を紹介します。
「えーすご!」「かっこいい!」「え、なんかトントンとかしてんの?」「外暑いやろ」「重いもんとか持ってんの?」「自分で運転すんの?」「応援してるで!」 (などです。)
私が女性であるために言われる内容も多いですが、実際多くの職人が、このような経験を持っているのではないかと思います。
 今紹介した言葉を言った人たちは、ほとんど仕事内容を理解していません。なんとなーく大変そう、なんか重そう、なんかかっこいい。
 当然です。日本で普通に生きていて 建築について学ぶ機会は、義務教育ではほとんどありませんよね。
 ですが、たくさんの人たちが一世一代の買い物として家を建てます。もしくは中古の一軒家かマンションを購入し、直します。便利な駅にもっと便利な施設が建つことを望みます。業界、仕事内容へある程度の理解が無ければ、目の前の見積もりの数字だけ見て高いと言われることにもなります。建物自体への興味が無ければ、伝統にも価値を見出せなくなって当然です。

 この現状に対して私が考える改善点は、建設業界全体のアピールの方法です。
最近の情報収集の方法と言えば、もちろんインターネットが多いですよね。就職活動などはネットの情報戦でもあります。実際に私は現在勤め先の工務店をインスタグラムの広告から知り、ダイレクトメッセージで応募しました。
就職以外にも、小さい子どもが職業について調べたり、親が調べたりネットでの情報提供は重要な機会であると考えます。
 この文章を書くにあたって建設業や大工の事についてGoogleで検索したところ、想像とは違った検索結果でした。
 転職・求職の情報サイトが検索結果のほとんどを占めており、ハウスメーカー、学校のサイトもありました。私の想像では、建設組合、国の機関などの情報を得られると思っていましたが、ほぼ見つかりませんでした。

 これほど人手不足が叫ばれている中で、業界の上が3Kなどのイメージ改善やアピールポイントを発信していないのは、怠惰とまでの印象を受けます。
よく見る貼り紙などは内側にいる人には目に留まる物だと思います。調べていくと、既に建設業に就いている人に向けたものは ある程度充実している印象で、発信力が無いわけでは無いと思います。
 最近はインスタやTikTokで各会社・個人が投稿しているのを見ますが、業界全体として、まずは上から、外に対する発信の流れを作って欲しいと思います。そして多くの人に現状を知ってもらうこと。単価を上げるには、消費者に知ってもらうことから始まると思います。一生に一度は関わる職人という身近な存在について、考えてもらう機会を与えて欲しいです。
 知る、という事はとても地味です。インパクトのある政策などは一見ワクワクしますが、どんな大きな問題も、解決の第一歩は知る事から始まります。
結局は人と人同士です。職人を知って伝統や歴史を知り、本当の建物の価値を理解していくものだと思います。 

 もう一点、職人の地位向上に貢献できることは、毎日の仕事にあると考えます。
 現場の近所の住人は、毎日職人を見ることになり、建設・職人全体のイメージが決まるきっかけになります。いろんな噂があっても、結局は自分が実際関わった人間がどんな印象であったかで、全体のイメージは更新されるものだと思います。挨拶、髪型服装、会話の内容、歩きタバコなど、自分たちの毎日の姿で良いようにも悪いようにも印象付けられます。
 業界全体的に、髪型やファッションは自由な傾向にあるので、似合った格好で楽しそうに仕事をしていれば、堅い会社員や学生からは羨ましく見られるかもしれません。いつもやかましくてすみません、と軽く話すだけで、近所のお年寄りなんかは少しの会話を楽しんでくれます。近所のネットワークで繋がって新たな仕事に繋がることがあるように、印象も広がっていくはずです。

 これから圧倒的に人数が減る建設業従事者はただでさえ貴重で、それに加えてさわやかに楽しく、かっこよく仕事をするだけで憧れられ誇らしい職業になります。
 自分たちの将来を決めるのは日々の仕事にある。そんなちょっと自意識過剰な感じで仕事をするのも、楽しいのではないでしょうか。

以上、「建設業の未来に向けて若者からの発信」として、職人の社会的な地位の向上が私の望みです。
そのために、業界のアピール方法と、日々の仕事の2点から考え、話させていただきました。
ご清聴ありがとうございました。

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